おやま魅力発見WEBBOOK
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富士山金太郎自 然歴史・文化産 業産 業見る遊ぶ買う食べる泊まる風土と特産物水稲豊かな水に恵まれた小山町では、古くから稲作中心の農業を営んできた。富士山の東側に位置し、十分な日照が確保できることや、温度差が大きく、糖度の高いコメが育つのに適した土地柄であることから、現在でも米作りを続ける農家は多い。ここで育まれる水稲は、もち米・うるち米ともに食味値(コメの美味しさを表す数値)が高く、人々の食生活の中心を担っている。清涼な水と美しい空気、豊かな大地に育まれる小山町の特産物は、いずれも高品質なものが揃う。これも連綿と守られてきた環境のたまものだ。地域の主産業である稲作をはじめ、水かけ菜やわさびの栽培だけでなく、山々に自生するキノコ、豊富な水を活用したニジマスの養殖や染物技術などが現代まで受け継がれている。水掛菜別名「とうな」とも言うアブラナ科の菜類野菜。明治19年に喜多長平氏が栽培を始めたと言われ、富士山麓の湧水を掛け流して育てることから「水掛菜」の名前がついた。稲作が終わった水田に種を蒔き冬季に栽培するため、病害虫の心配が無く、漬物にする際にも塩のみで漬けられる。多くの栄養素が含まれる健康食品でもある。わさび小山町産のわさび(真妻種)は、知る人ぞ知る良質ブランド。富士山からの豊富な湧き水で2年の歳月をかけ栽培され、扱う料理人や消費者の舌をうならせる逸品だ。希少品種ゆえに生産量は少なく、東京を中心とした大都市の高級料亭や寿司店を中心に出荷されている。うまみ、辛み、爽快感、どれをとっても「わさびの王様」ともいえる代物だ。ニジマス富士山の雪解け水は、地中での旅の間に濾過され、湧水となって須川へと流れ込んでいる。この須川の清涼な水で育てられるのが小山のニジマスだ。かつての宝永噴火がもたらした溶岩や火山灰が堆積し、水藻が繁殖しにくい須川でゆっくりと時間をかけて育つニジマスは、川魚独特の臭みがない事や、急な流れに逆らうことによる美しい紅色の身が特徴。栽培管理が徹底され、安全なキノコ須川の清流が鮮やかな染物を生み出す37

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